5月11日 緊急事態宣言と雇用調整助成金特例について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
先日、福岡県・愛知県も追加で緊急事態宣言が出されることが決定しました。
今回は、雇用調整助成金の特例措置についてご紹介します。

■雇用調整助成金の特例
現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて事業活動を縮小している事業主に対し、従業員の雇用を維持するために支払う休業手当についてその費用を助成しています。
令和3年4月末までは全国一律1日1人あたり15,000円を上限に、中小企業は10/10(4/5)・大企業は4/5(2/3)の割合で助成されます。
※()内は解雇等が発生している場合の助成率

■雇用調整助成金特例措置の延長について
令和3年5・6月については、段階的に特例措置を縮減するとしていますが、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の対象地域については特例措置が延長されます。
・令和3年4月末までの特例措置がそのまま適用される対象
①緊急事態宣言の対象地域
②まん延防止等重点措置の対象地域(予定)
③緊急事態宣言・まん延防止等重点措置対象ではないが特に業況が厳しい事業主(算定基準となる期間の売上等生産指標が前年もしくは前々年同期比30%以上減少)
それ以外の事業主については、全国一律1日1人あたり13,500円を上限に、中小企業は9/10(4/5)・大企業は3/4(2/3)の割合で助成されます。

※引用:厚生労働省「令和3年5月・6月の雇用調整助成金の特例措置等について

福岡県についても緊急事態宣言が5月12日(水)より出されることとなり、雇用調整助成金特例措置延長の対象となります。
休業要請を受けている企業様について、雇用調整助成金をはじめとする制度を活用してみてはいかがでしょうか?

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、休業要請に伴う休業手当の支払い計算に関するご相談から雇用調整助成金の申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問合せください。(お問合せはこちら

《参考》
厚生労働省:雇用調整助成金
厚生労働省:令和3年5月・6月の雇用調整助成金の特例措置等について

4月27日 新型コロナの労災認定について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
先日、厚生労働省から最新の労働災害状況(速報値)が公表されました。
今回は、令和3年1月1日~同年3月31日までに発生した労働災害について、令和3年4月5日までに報告があったものが集計されています。

「労働災害」というと建設業や製造業等に多いイメージですが、最近では新型コロナウイルス感染症への感染も増加しています。
《労災発生状況》
休業4日以上の死傷災害:25,185人(前年同期比+29.2%)
うち 感染症による労働災害を主とするもの:3,285人(13%)

※引用:厚生労働省「令和3年労働災害発生状況(4月速報値)

国内での新型コロナウイルス感染症への感染に関する労働災害認定の取扱いについては、厚生労働省から通達が出されています。
1.医療従事者等について:業務外での感染が明らかな場合を除き労災保険給付の対象
2.医療従事者以外の方について
①感染経路が特定され、業務内で感染したと明らかに認められる場合は労災保険給付の対象
②感染経路が特定されない場合でも、感染リスクが高い業務(小売業の販売業務やバス・タクシー等の運送業務)に従事している場合には個々の事案に則して労災保険給付の対象かどうかを判断
上記の通達の通り、医療従事者等の方だけではなく、顧客等との接触の機会が多い環境で働く方についても、労災認定を受けられるケースがあります。
できる限りの対策を行って従業員の業務内感染を防ぐことはもちろんですが、感染した場合のことも考え、労災申請について確認しておくことも重要です。

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、労災保険等諸手続きに関するご相談から手続代行等も承っております。
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《参考》
・厚生労働省「令和3年労働災害発生状況(4月速報値)
・厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る労災補償について

4月20日 最低賃金に関する経済団体側の要望について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
先日、日本商工会議所・全国商工会連合会・全国中小企業団体中央会の3団体より、「最低賃金に関する要望」が公表されました。
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、現行水準の維持を要望として出された形になります。

最低賃金は地域別に決定されますが、最低賃金審議会で議論が行われた上で都道府県労働局長が決定しています。
国として全国加重平均が1,000円以上になることを目指して2016年から引上げを行っていますが、昨年2020年についてはコロナ禍の影響も鑑み、現状維持もしくは少額の引上げにとどまりました。
2021年の最低賃金額については、今回の経済団体からの要望が実現するかどうかはまだ分かっていませんが、昨年に引き続きコロナ禍の企業への影響も鑑みて6月からの審議が進む可能性もあります。
最低賃金の決定までまだ先ではありますが、今後の動向に注目が集まります。

なお、厚生労働省では業務改善助成金の制度が設けられており、事業場での最低賃金が低い場合に生産性向上のための設備投資を行い、かつ事業場内最低賃金を引き上げた中小企業に対し、設備投資にかかった費用の一部を助成しています。
引き上げる金額と事業場の人数に応じて、その上限額が20万円~450万円とコースが設定されています。

※引用:厚生労働省「業務改善助成金
「県の最低賃金とほぼ同じくらいで設定しているが最低賃金を上げたい」といった企業様については、こうした助成金制度を活用されるのもおすすめです。

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《参考・引用》
・日本商工会議所:最低賃金に関する要望について
・厚生労働省:業務改善助成金

4月13日 労災特別加入対象範囲拡大について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
令和3年4月1日より、労働者災害補償保険(労災保険)特別加入制度の対象が広がることとなりました。
労災保険の特別加入制度とは、通常労災保険の対象とはならない中小企業の事業主や一人親方等も労災の補償を受けられるように設けられた制度です。

令和3年4月1日より新たに対象となったのは、以下の通りです。
①芸能関係作業従事者(俳優や監督、照明技師等)
②アニメーション制作作業従事者(作画従事者や編集者等)
③柔道整復師
④創業支援等措置に基づき事業を行う方
※上記の方についても、会社に雇用されている人は従来通り特別加入なしに労災保険の対象となります。今回の対象は、フリーランスで働く方等について拡大されています。

④については、先日ご紹介した「高年齢雇用安定法」の改正に伴う70歳までの就業機会確保努力義務の中でも、70歳まで継続的に業務委託契約を締結できる制度・事業主が実施する社会貢献事業に従事する制度の適用を受けた人が対象となります。

※引用:厚生労働省「創業支援等措置に基づき事業を行う皆さまへ
現状70歳までの就業機会確保措置については努力義務の段階ですが、継続的な業務委託の締結等の制度を導入される企業様については、同時に特別加入についても案内してみてはいかがでしょうか?

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《参考》
厚生労働省「令和3年4月1日から労災保険の「特別加入」の対象が広がります

4月6日 70歳までの就業機会確保努力義務について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
新年度になり、コロナ禍でもお忙しい企業様もいらっしゃるのではないでしょうか?

2021年4月1日より、人事・労務分野でも法改正が行われています。
今回は、「高年齢雇用安定法」の改正に伴う70歳までの就業機会確保努力義務についてご紹介します。

■高年齢雇用安定法とは
少子高齢化・人口減少の中でも経済の活力を維持できるよう、高年齢者が活躍できる社会を目指す法律です。これまでは、65歳までの雇用確保が義務とされていました。

■今回の改正ポイント
現行の義務に加え、65歳~70歳までの就業機会を確保するための措置を講ずる努力義務が新設されています。

※引用:厚生労働省「高年齢者雇用安定法改正の概要」
④⑤の措置についてはこれまでの65歳までの雇用確保義務にはなかったもので、雇用が難しい場合でも業務委託契約等の就業機会を提供するものとなっています。

現段階では努力義務となっていますが、今後段階的に義務化されていくものと考えられます。
今から少しずつ準備を始め、より従業員の皆さんに長く活躍していただける体制を整えるのはいかがでしょうか?

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、法改正に合わせた就業規則の整備や人事労務管理に関するアドバイス、助成制度を活用した社内制度整備等も承っております。
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《参考・引用》
厚生労働省「高年齢者雇用安定法改正の概要

3月30日 テレワークガイドラインの改定について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
先日、厚生労働省よりテレワークガイドラインの改訂版が公表されました。
今回は、ガイドラインに掲載されているテレワークの留意点を一部ご紹介します。

■テレワークの導入に際して
・テレワーク導入が難しいとされる業務でも個別の業務によっては実施できる場合もあるため、業務の取り組み方も含めて見直しをすることが望ましい
・テレワーク中も従業員については労災保険適用となるため、万一労災事故が起こった場合に備え、手続がスムーズに進むよう従業員に日時や状況の記録をしてもらう用周知をすることが望ましい
・ルールを整備して、テレワーク開始前に従業員へ周知を行うことも重要

■労務管理について
・人事評価について、オフィスで勤務する従業員とテレワークで勤務する従業員で不合理な差がつかないよう、人事評価の方法・基準を工夫することも重要
・オンラインの人材育成を活用することも会社・従業員にとって有用
・労働時間について、フレックスタイム制度等を活用することで柔軟に取り扱うことも可能になる

他にも、テレワーク時の作業環境に関することや、ハラスメントの対応等についても掲載されています。
厚生労働省では、令和3年度の予算の中で「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」を設ける予定としています。
まだテレワークを導入されていない場合は、国の助成制度を活用して導入されてみてはいかがでしょうか?

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、テレワーク導入にあたっての社内ルール整備や就業規則・人事評価制度の構築、助成金の申請代行等も承っております。
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《参考》
厚生労働省:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン概要版はこちら

3月23日 副業と労災保険給付について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
副業・兼業が広がる中で、令和2年9月1日より労働者災害補償保険法が改正され、複数事業所に勤務する人について賃金額を合算することとなりました。
施行から約半年が経過していますが、今回はその制度についてご紹介いたします。

■改正のポイント

(引用:厚生労働省「複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説」)
昨年の改正までは、複数事業所に勤務する方が一方の事業所で労災認定を受けた場合、休業補償給付等の計算にあたっては労災認定を受けた方の事業所の賃金のみで給付が計算されていました。
この改正では、複数事業所の賃金を合計した金額をもとに計算されることとなり、給付を受ける人にとってはより充実した制度となっています。
なお、令和2年9月1日以降に発生した傷病が対象となっていますので、令和2年8月31日以前の傷病については上記の算定方法の対象とはなりません。

■副業・兼業をしている方が労災となった場合の申請について
副業・兼業をしている場合それぞれの事業所について賃金額の証明が必要となります。

(引用:厚生労働省「複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説」)
労災の保険給付額は勤務先の平均賃金を基礎に計算を行いますが、複数事業所の賃金額を合算して給付が行われるようになったため、それぞれの勤務先で賃金を証明してもらう必要があります。
会社で副業を認めている場合には事前に副業先を届け出てもらうようにし、いざというときにスムーズに手続が行えるよう準備しておくこともポイントです。

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、労災保険の手続に関するご相談からお手続の代行、副業・兼業者の労務管理に関する社内整備等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問合せください。(お問合せはこちら

《参考》
厚生労働省:複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説

3月16日 国際自動車事件について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
先日、国際自動車事件の原告側から和解が成立した旨の会見が開かれた報道がありました。
会社側が労働者198人全員の要求を受け入れ、合計約4億円を支払うとのことです。

■国際自動車事件とは
タクシー乗務員として勤務していた原告が、歩合給の計算にあたり売上高の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める賃金規則が無効であるとして会社側に未払い残業代の支払いを求めていた裁判です。
令和2年3月30日の最高裁判決では原告側の主張を認め、会社の賃金規則の定めが割増賃金の支払いとは言えないとして、残業代の金額を審理させるため高等裁判所へ差戻していました。
高等裁判所の審理で金額が確定する前に、会社側が未払残業代等を支払うとの和解が成立したようです。

■従業員と労務トラブルにならないために
①法律に則した整備と必要書類の保管を行う
⇒会社の労務管理において基本中の基本ではありますが、就業規則や労働条件通知書、賃金台帳等を法律にのっとった形で整え、きちんと保管をしておくことが重要です。特に賃金規則や労働時間は従業員の方も気にすることが多いため、細心の注意を払って整備を進めましょう。
②従業員の方に周知・合意をとる
⇒せっかく社内制度の整備を行っても、従業員の方が「知らなかった!」となればトラブルにつながるケースもあります。従業員に対し周知を行うことや合意を得ることも大切です。

法律に則した社内制度を整備するためには、私たち社会保険労務士を頼っていただくことも有効な手段の一つです。
福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、社内の労務環境整備に関するご相談から実際の整備、労働保険・社会保険に関する諸手続代行等も承っております。
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《参考》
・日本経済新聞:歩合給算定で残業代を控除 最高裁「労基法趣旨沿わず」

3月9日 36協定届の新様式について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
国の「はんこレス化」が一時期大きな話題になりましたが、厚生労働省でも押印が不要となるものが増え、届出様式の変更が進んでいます。
会社の労務管理上重要な届出の一つとなる時間外労働・休日労働に関する協定届(通称:36協定届)についても、届出の様式が変更となりました。

■変更となった点

※引用:厚生労働省(36協定届が新しくなります
・押印箇所を示す印マークがなくなりました(押印不要に)
・労働者の過半数代表を選出する際の決まり(管理監督者でないこと等)についての確認用のチェックボックスが作られました

なお、届出書と労使協定を兼ねる場合は、直筆の署名もしくは記名押印が必要となります。
PCで作成して労働者過半数代表者の氏名や使用者氏名を印刷で出力しており、届出書と労使協定を兼ねる場合は押印を忘れないよう注意が必要です。

36協定届については、従業員の方に1分でも残業してもらう場合労働基準監督署への届出が必要となります。
今回の新様式については2021年4月1日以降有効の36協定届について適用となります。

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、時間外労働・休日労働に関する協定届等各種労務管理に必要なお手続に関するご相談や手続代行等も承っております。
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《参考》
厚生労働省:36協定届が新しくなります

3月2日 中小企業の同一労働同一賃金について

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
3月に入り、新年度に向けた準備を進めている企業様が増えているかと思います。

令和3(2021)年4月よりパートタイム・有期雇用労働法が中小企業についても適用となり、同一労働同一賃金の対応が必要となります。
■同一労働同一賃金とは
同じ企業・団体において、正社員と非正規社員間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
同一労働同一賃金について争われた裁判では、昨年「大阪医科大学事件」「日本郵便事件」が大きな話題となりました。

■どう対応すればよいのか
同一労働同一賃金に対応するための大まかなステップは、下記の通りです。
①現在運用している就業規則や従業員の労働条件を確認し、固定給の決め方や手当等の待遇について整理する
②①で整理した待遇について、正社員⇔非正規社員(契約社員やアルバイト・パート)の間で不合理な格差がないかどうか確認をする
③不合理な格差があるようであれば、労働条件や就業規則の変更を行う等により格差をなくすよう取り組む

また、不合理な格差があるかどうかの確認や是正にあわせ、契約社員を正社員へ登用する制度を定めることで従業員のモチベーションアップや職場定着につながるケースもあります。
有期契約社員から正社員への転換制度を設け、一定期間勤務している有期契約社員を待遇アップとあわせて正社員に転換した場合、キャリアアップ助成金の支給が受けられる場合がございます。
同一労働同一賃金の対応とあわせて、国の助成制度を活用されてみてはいかがでしょうか?

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、同一労働同一賃金の対応に関するご相談や社内制度整備、キャリアアップ助成金等の助成金申請代行等承っております。
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《参考》
厚生労働省:同一労働同一賃金特集ページ

《関連記事》
社会保険労務士法人サムライズ:2020年10月20日 最高裁判決と同一労働同一賃金