4月1日 4月に創設される育児時短就業給付金

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

いよいよ2025年4月1日より新たな雇用保険の給付金である「育児時短就業給付金」が創設されます。この給付金は、2歳未満の子どもを養育するために所定労働時間を短縮して就業し、賃金が低下したときなどに支給されるものです。以下では、この内容を解説します。

 

[1]支給要件
 育児時短就業給付金は以下の2つの要件を満たす雇用保険の被保険者に支給されるものです。

  1. 2歳未満の子どもを養育するために、育児時短就業すること
  2. 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて、育児時短就業を開始した、または、育児時短就業開始日前2年間に被保険者期間が12ヶ月あること

 なお、育児時短就業とは、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業することを指します。そのため、1日の所定労働時間は短縮していないものの、1週間の所定労働日数を減らすような場合も、上記1の要件を満たすことになります。
 また、正社員として育児時短就業をする場合のみでなく、例えばパートタイマーに雇用区分を変えることで1 週間当たりの所定労働時間が短縮される場合も含まれます。

 

[2]支給額
 育児時短就業給付金の支給額は、原則として育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額となっています(支給限度額あり)。ただし、育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整されるため、育児時短就業時の賃金額が、育児時短就業開始時の賃金月額の90%を超える場合には、下表のように支給率が逓減します。

育児時短就業給付金の支給率早見表

賃金率 支給率 賃金率 支給率
100.00% 0.00% 95.00% 4.74%
99.50% 0.45% 94.50% 5.24%
99.00% 0.91% 94.00% 5.74%
98.50% 1.37% 93.50% 6.26%
98.00% 1.84% 93.00% 6.77%
97.50% 2.31% 92.50% 7.30%
97.00% 2.78% 92.00% 7.83%
96.50% 3.26% 91.50% 8.36%
96.00% 3.75% 91.00% 8.90%
95.50% 4.24% 90.50% 9.45%
90.00% 10.00%

 

[3]経過措置
 2025年4月1日より前から、2歳未満の子どもを養育するために育児時短就業に相当する短時間勤務をしている場合は、2025年4月1日から育児時短就業を開始したものとみなして、支給要件や育児時短就業前の賃金水準を確認することになっています。実際に、短時間勤務を開始したときにさかのぼるわけではない点に注意が必要です。

 支給申請は、原則として2ヶ月に1回、会社を通じて行うこととされていますが、従業員が希望する場合には、従業員自ら支給申請を行うことや、1ヶ月ごとに支給申請を行うこともできます。給付金の対象となる従業員をどのように把握して円滑な手続きを行うか、事前にその流れを検討しておきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「育児休業等給付について

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

3月25日 3月分以降の協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険料率および介護保険料率は、例年3月分(4月納付分)から見直しが行われています。以下では、2025年3月分から変更される都道府県支部毎の保険料率をお伝えします。

 

[1]2025年度の健康保険料率
 協会けんぽの健康保険料率は、都道府県支部毎に設定されますが、2025年3月分から適用される保険料率は下表のとおりとなりました。
 47都道府県のうち、前年度より健康保険料率が引上げとなったのが28、引下げとなったのが18、変更なしが1でした。そして、もっとも高い保険料率は佐賀県の10.78%、もっとも低い保険料率は沖縄県の9.44%となっており、佐賀県と沖縄県の保険料率の開きは大きなものになっています。

[2]引下げとなった介護保険料率
 介護保険料率は単年度で収支が均衡するよう毎年見直しが行われますが、2025 年3月分からは、1.60%から1.59%への引下げとなりました。※図はクリックで拡大されます。

2025年3月分からの健康保険料率(各都道府県支部毎)

↑:引上げ →:変更なし ↓:引下げ

 健康保険料率および介護保険料率は3月分から変更になるため、3月に賞与を支給する会社では、賞与にかかる保険料から新しい保険料率で計算して、賞与からの控除が必要となります。対象となる会社は、取扱いに注意しましょう。

 

■参考リンク
日本年金機構「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

3月18日 3歳未満の子を養育する従業員が利用できる年金額計算の特例

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

少子化を背景に、様々な形で子ども・子育てへの支援が行われています。今回は、以前から設けられている厚生年金の年金額を計算するときの特例制度についてとり上げます。

 

[1]厚生年金保険の標準報酬月額
 厚生年金保険に加入する従業員は、支給される給与に基づき、標準報酬月額が決定されます。標準報酬月額は、従業員や会社が負担する厚生年金保険料の算出に用いられ、さらに、将来受け取ることになる年金額の計算の基礎となります。

[2]年金額の特例制度
 3歳未満の子どもを養育する従業員で、養育期間中の各月の標準報酬月額が、養育を始めた月の前月と比べて低下した期間については、将来受け取ることになる年金額の計算について特例が設けられています。これは、子どもを養育することで育児短時間勤務を行ったり、残業時間が減ったりすることで、養育期間の前よりも標準報酬月額が下がることがあるためです。
 この特例の適用を受けることで、子どもの養育を始めた月の前月の標準報酬月額が養育期間中の標準報酬月額とみなされ、子どもを養育する前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができます。厚生年金保険料は、養育後の標準報酬月額で負担することとなるため、特にデメリットはありません。

[3]添付書類の省略
 従業員がこの特例を受けるためには、会社を通じて「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を年金事務所等に提出することになります。
 提出にあたっては、原則として、以下の2つの書類を添付する必要があります。

  1. 戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書
  2. 住民票の写し(原本)

 上記の添付書類について、2024年11月と2025年1月に取扱いの変更がありました。具体的には、会社が戸籍謄(抄)本等で申出者と子どもの身分関係を確認し、申出書の「□確認済み」にチェックを入れた場合や、申出者と子どもの両方に日本の戸籍があり、申出者と子どものマイナンバーがどちらも申出書に記載されている場合には、上記1の添付を省略できます。また、従業員と子どものマイナンバーのいずれも申出書に記載する場合には、上記2の添付を省略できます。

 今回とり上げた特例制度は従業員の申し出に基づき、会社が手続きをすることになっていますが、対象になるような従業員がいる場合には、会社から制度の周知を行うことが望まれます。なお、子どもの養育を始める前に退職し、その後、養育期間内に再び働き始めた場合などは、子どもの養育を始めた月の前月より直近1年以内に被保険者となっていれば、最後に厚生年金保険の被保険者であった月の標準報酬月額が、養育前の標準報酬月額とされます。3歳未満の子どもを養育する従業員が転職してきたような場合には、対象になる可能性があることを伝えたいものです。

 

■参考リンク
日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

3月11日 36協定を締結する際の注意点

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、「36協定」という)は、企業の労務管理においてもっとも重要な労使協定であり、この締結・届出がなされない中での時間外労働・休日労働、または協定内容を超えた時間外労働・休日労働は労働基準法違反となります。4月に向けて36協定の締結を行う企業が多いことから、以下では36協定締結において勘違いしやすい労働者数と休日労働に関する項目の意味について解説します。

[1]労働者数とは
 36協定の協定事項とされている労働者数とは、在籍している労働者の人数ではなく、時間外労働・休日労働を行わせることが想定される人数をいいます。この労働者数については、協定の有効期間中に、入社や退職により協定に記入した人数と実態が乖離することがあります。このような場合であっても、再度、36協定を締結して届け出る必要はなく、締結後に入社した労働者に対しても協定の範囲内で時間外労働や休日労働を命じることができます。

[2]休日労働に関する項目
 協定事項には「労働させることができる休日の日数」があり、36協定の協定届には「労働させることができる法定休日の日数」と「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」があります。
 「労働させることができる法定休日の日数」とは、法定休日に労働させる可能性のある日数をいいます。厚生労働省が公開しているリーフレット「36協定の適正な締結」にある36協定届の記載例では、「1か月に1日」という内容になっていますが、この場合、法定休日に労働させることができるのは1ヶ月に1日のみとなります。そのため、例えば繁忙期は法定休日のうち、2日は出勤してもらう可能性がある場合には、「1ヶ月に2日」と記載します。
 「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」とは、法定休日に労働させる場合の始業時刻と終業時刻をいいます。この時刻について、会社の通常の始業時刻と終業時刻を記載しているケースを見かけますが、この時刻が法定休日に労働させることのできる始業時刻と終業時刻となります。通常の始業時刻よりも早く出勤させる可能性がある場合などは、会社が想定する時刻を記載しましょう。

 36協定を締結する際、前年と同じ内容で、日付と人数だけ確認・修正しているケースが見受けられますが、実態に合わない36協定を運用することで直ちに法違反となる危険性があります。協定する内容や数字の意味を理解した上で、業務の実態を踏まえて適切な協定を結ぶようにしましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「労働時間・休日
厚生労働省「36協定の適正な締結

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

3月4日 4月から始まる出生後休業支援給付金

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

育児休業を取得すると、一定の要件を満たした従業員(雇用保険の被保険者)は所得の補てんとして出生時育児休業給付金または育児休業給付金を受給することができます。ただし、通常、育児休業を取得する前と比較して手取額は低下することから、より高い補てんとすることを目的として、2025年4月から出生後休業支援給付金が創設されます。以下では、この内容をとり上げます。

 

[1]支給要件
 出生後休業支援給付金は、子どもの出生直後の一定期間に、両親ともに14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間、支給されるものです。
 受給のためには以下の2つの要件を満たしていることが必要です。

  1. 従業員
    対象期間に、同一の子について、出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休または育児休業給付金が支給される育児休業を通算して14 日以上取得したこと。
  2. 従業員の配偶者
    「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8 週間を経過する日の翌日」までの期間に通算して14 日以上の育児休業を取得したこと、または、子の出生日の翌日において別途定められている「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること。

 ここでいう対象期間とは、以下のとおりです。

[従業員が産後休業をしていない場合(従業員が父親または子が養子の場合)]
 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から、「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間

[従業員が産後休業した場合(従業員が母親かつ子が養子でない場合)]
 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から、「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日」までの期間

 2025年4月1日より前から引き続いて育児休業を取得している場合は、下線部を2025年4月1日として読み替えて確認が行われます。

 

[2]支給額・申請手続
 支給額は、原則として育児休業を開始する前6ヶ月に支払われた賃金の13%相当額です。出生時育児休業給付金または育児休業給付金の給付率67%とあわせると、給付率が80%となり、手取りの10割相当額が支給される仕組みとなっています。
 支給申請手続は、原則として、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給申請と併せて、同一の支給申請書を用いて行うことになります。

 育児休業を取得する従業員の中には、配偶者が専業主婦(夫)であったり、ひとり親として育児をしていたりすることもあります。このように配偶者が育児休業を取得していない場合も、出生後休業支援給付金が支給されることがあります。その際には、配偶者の状況に応じた申告書や添付書類の提出が求められます。

 

■参考リンク
厚生労働省「育児休業等給付について

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

2月25日 民間企業の障害者実雇用率は過去最高の2.41%に上昇

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

2024年4月より民間企業の障害者に係る法定雇用率が2.3%から2.5%に引上げられ、従業員数40.0人以上規模の企業において障害者を1人以上雇用する義務が課せられています。法定雇用率の引き上げに比例し、障害者雇用率も上昇が続いていますが、今回は2024年12月に厚生労働省から公表された「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」(以下、「集計結果」という)の中から、最新の障害者雇用状況について確認しましょう。

 

[1]障害者雇用数と種別
 障害者の雇用義務のある40.0人以上規模の民間企業で雇用されている障害者の数は677,461.5人で、前年より35,283.5人増加し、21年連続で過去最高を更新しました。障害種別にみると、以下のようにいずれの種別でも増加していますが、特に精神障害者の雇用数が大幅に伸び、知的障害者に迫っています。

  • 身体障害者 368,949.0人(対前年比2.4%増)
  • 知的障害者 157,795.5人(同4.0%増)
  • 精神障害者 150,717.0人(同15.7%増)

[2]実雇用率
 法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%と、前年の50.1%より4.1%低下しました。実雇用率を企業規模別にみると、今回から新たに報告対象となった40.0~43.5人未満の規模が33.3%に止まり、全体の達成率を引き下げています。なお、他の規模区分を見ると、43.5~100人未満については45.4%(前年47.2%)、100~300人未満が49.1%(同53.3%)、300~500人未満が41.1%(同46.9%)、500~1,000人未満が44.3%(同52.4%)、1,000人以上が54.7%(同67.5%)となっており、法定雇用率の引き上げもあり、すべての規模で実雇用率が低下しています。

 

[3]障害者雇用率達成の指導状況
 実雇用率が低い企業に対しては、障害者雇用率の達成に向けたハローワークによる指導が、以下の流れで行われます。※図はクリックで拡大されます。

 この指導について、2023年度の実績は以下のとおりです。

  • 障害者雇入れ計画作成命令の発出 219社
  • 障害者雇入れ計画の適正実施勧告 63社
  • 特別指導の実施 33社

 また、障害者雇入れ計画を実施中の企業は、502社となっています。

 2025年4月からは一部の業種のみが対象ですが、除外率の引下げが行われ、2026年7月からは法定雇用率が2.7%に引上げられます。そのため、障害者雇用人数が不足している企業や今後不足することが予想される企業においては、法定雇用率の達成に向け、継続的に採用と定着の取り組みを進める必要があります。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果
厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

2月18日 ストレスチェックの概要と活用

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場に実施が義務付けられているものです。常時50人未満の事業場については努力義務とされていますが、今後、この規模要件が撤廃され、すべての事業場で義務化するされることが見込まれています。以下では、ストレスチェックの概要と活用についてとり上げます。

 

[1]ストレスチェックの実施
 ストレスチェックを実施する主な目的は、労働者自身のストレスへの気付きを促し、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止することにあります。
 ストレスチェックは、常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回実施することになっています。義務となっていることは会社に対して、従業員にストレスチェックの受検の機会を与えることであり、実際にストレスチェックを受検するか否かは従業員の判断に委ねられています。

[2]ストレスチェック受検後の流れ
 ストレスチェックを受検した後、その結果は直接本人に通知され、本人の同意がない限りは会社に提供されることはありません。
 ストレスチェック受検後に会社がやるべきことは、高ストレスと評価された労働者から、医師による面接指導の申出があった際に面接指導を実施することです。そして、医師による面接指導を実施した後、会社は必要に応じて就業上の措置を講じる必要があります。

[3]ストレスチェックの活用
 ストレスチェックには、労働者自身のストレスへの気付きのほかに、検査結果を集団分析し、職場環境の改善につなげることも目的に含まれていることから、厚生労働省も集団分析の実施を推奨しています。
 集団分析は、原則10人以上を集計単位とする必要があり、部署の人数が10人を下回る場合は、複数の部署を合算して分析したり、分析を直接部門と間接部門としたりするなど、集計の単位を大きくして集計することが求められます。
 集団分析については、会社の総務担当者だけでは結果の解釈が難しいことがあります。このような場合、例えば、外部の機関の産業保健総合支援センター(さんぽセンター)を活用し、メンタルヘルス対策促進員に集団分析結果の解釈等について助言をもらうという方法も考えられます。

 ストレスチェックは2015年12月からスタートし、10年目に入りました。ストレスチェックはその必要性を伝えて、できるだけ多くの従業員に受検してもらえるようにしたいものです。そして、必要に応じて集団分析を行うなどして、職場環境の改善につなげていきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等
独立行政法人労働者健康安全機構「産業保健総合支援センター(さんぽセンター)

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

2月11日 企業の年間休日日数の平均は過去最高の112.1日に

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

就職活動における企業選びの条件として、労働時間や休日を重視する傾向が強まっています。厚生労働省は「令和6年就労条件総合調査」(以下、「調査」という)において、週休制や年間休日総数の状況を取りまとめて公表しており、自社の状況を一般的な水準と比較することができます。そこで調査の中から、週休制と年間休日総数の状況について確認しておきましょう。

 

[1]週休制の形態

 2024年の主な週休制の形態をみてみると、「何らかの週休2日制」を採用している割合は90.9%(2023年85.4%)で、「完全週休2日制」を採用している企業割合は56.7%(2023年53.3%)となりました。いずれも採用率が大きく上昇していることから、企業において、人材の確保・人材の定着等を検討する中で、休日数を含めた週休制を見直す動きがあったことが考えられます。
 また、週休3日制の割合をみてみると、「何らかの週休3日制」を採用している割合は1.6%となっています。

[2]1企業平均の年間休日総数
 2024年の年間休日総数を1企業平均で見てみると112.1日となりました。2023年は110.7日となっていたことから、1.4日増加しています。この年間休日総数について、2014年以降の10年間の推移を見てみると、新型コロナウイルスの感染拡大で社会が混乱した2021年を除き、全体的に増加傾向にあります。※図はクリックで拡大されます。

[3]勤務間インターバル制度
 勤務間インターバル制度を導入している企業の割合は5.7%で、1企業平均の勤務間インターバルの時間数は10時間40分でした。この勤務間インターバル制度については、先月、厚生労働省から公表された「労働基準関係法制研究会」の報告書の中で導入を促進していく方針が示されており、今後、何らかの法改正が行われる可能性が高くなっています。

 人材採用環境の厳しさが増す中、休日日数の見直しを行う企業がさらに増えることが考えられます。その際には今回の調査結果を参考にするとよいでしょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和6年就労条件総合調査 結果の概況

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

2月4日 65歳以上定年企業は全体の32.6%

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

人材確保の観点から、定年年齢などを見直す動きが見られます。先月、厚生労働省から公表された2024年の「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果(以下、「集計結果」という)では、定年制の状況と70歳までの就業確保措置(努力義務)に対応した企業の状況等を確認することができます。以下ではこの内容をとり上げます。

 

[1]定年制の状況
 企業における定年制の状況については、65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は全体の32.6%(前年30.8%)となりました。これを年齢区分でみると以下のようになっています。前年からの変化としては、定年「60歳」の割合が減少し、「65歳」の割合が増加しています。

 60歳  64.4%(前年66.4%)
 61~64歳  2.9%(前年2.7%)
 65歳  25.2%(前年23.5%)
 66~69歳  1.1%(前年1.1%)
 70歳以上  2.4%(前年2.3%)
 定年制の廃止  3.9%(変動なし)

 また、この内容を企業規模別にみてみると、65歳定年の割合は、中小企業では全体の25.7%、大企業では全体の18.9%となっています(下図参照 ※図はクリックで拡大されます)。なお、この集計では従業員21人~300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」としています。

[2]65歳以降の就業確保措置の実施状況
 65歳以降の就業確保措置として、以下の1~5のいずれかの措置を講ずることが企業の努力義務とされています。65歳までの雇用確保措置と異なり、雇用だけでなく、業務委託契約など直接雇用をしない形で、70歳まで就業できる機会を与えることも措置に含まれています。

  1. 70歳までの定年引上げ
  2. 定年制の廃止
  3. 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
    ※特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む
  4. 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
  5. 70歳まで継続的に以下の社会貢献事業に従事できる制度の導入
    事業主が自ら実施する社会貢献事業
    事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

 今回の集計結果では、報告した全企業の中で就業確保措置が実施済みである企業が全体の31.9%となっています。企業規模別では、中小企業では32.4%(前年比2.1%増加)、大企業では25.5%(前年比2.7%増加)となっており、企業規模にかかわらず対応を進める動きがみられます。
 また、就業確保措置の内訳を全体でみると、70歳までの定年引上げが2.4%、定年制廃止が3.9%、継続雇用制度の導入が25.6%、創業支援等措置の導入が0.1%となっています(※)。
※端数処理の都合上、合計数にズレが生じています。

 

 今回の集計結果からは人手不足が深刻化する中、人材確保を図るため、定年年齢に引き上げなど、高齢者の活用を進めようとする企業の動きが進んでいることが分かります。少子化により若手労働者の採用が困難になっています。今後は高齢者の活用なくして、事業を円滑に進めることは難しい時代に突入していきますので、高齢者の雇用および処遇の仕組みを再整備すると共に、効果的な担当業務の設定などの議論を進めていきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和6年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

1月28日 2024年12月より拡充された両立支援等助成金

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

厚生労働省では、仕事と家庭の両立支援に取り組む企業を支援するために助成金制度を設けていますが、令和6年度補正予算の成立を受け、2024年12月17日から両立支援等助成金の2つのコースが拡充されました。以下ではこの内容をとり上げます。

 

[1]出生時両立支援コース
 出生時両立支援コースは、男性従業員が育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、育児休業を取得した男性従業員が生じた中小企業の事業主に対し、支給されるものです。
 このコースは、第1種(男性従業員の育児休業取得)と第2種(男性の育児休業取得率の上昇等)の2つに分かれています。これまで第2種は第1種の助成金を受給済であることが要件となっていましたが、2024年12月17日より、第1種を受給していなくても申請することができるようになりました。さらに、要件が緩和され、申請年度の前年度を基準とし男性育休取得率が30%以上上昇し、50%以上となった場合等には60万円が支給されることになりました。例えば、以下のような場合に、この30%以上上昇、50%以上を達成したことになります。

  • 前々年度 25%(対象者4人中1人が取得)   
  • 前年度 66%(対象者3人中2人が取得)
        → 30%以上上昇し、50%達成

 

[2]育休中等業務代替支援コース
 育休中等業務代替支援コースは、育児休業や育児短時間勤務の期間中の業務体制整備のため、育児休業取得者や育児短時間勤務を利用する従業員の業務を代替する周囲の従業員への手当支給等の取組みや、育児休業取得者の代替要員の新規雇用(派遣受入を含む)を実施した中小企業の事業主に支給するものです。以下の3つがあり、この中の1と2については2024年12月17日より、支給対象となる企業規模を、全産業一律300人以下の事業主に拡大しました。

  1. 育児休業中の手当支給
  2. 育児短時間勤務中の手当支給
  3. 育児休業中の新規雇用

また、1.の育児休業中の手当支給について、業務体制整備経費として、社会保険労務士に就業規則整備等を依頼すると、1人目について支給額が5万円から20万円に増額となり、最大140万円が支給されます。この140万円のうち、最大30万円については、職場復帰時まで待たずに育児休業取得後に先行して支給され、職場復帰時に最大110万円が支給されます。
2.の育児短時間勤務中の手当支給についても、業務体制整備経費として、社会保険労務士に就業規則整備等を依頼すると、1人目についての支給額が2万円から20万円に増額となり、最大128万円が支給されます。この128万円のうち、最大23万円については育児短時間勤務開始後に先行して支給され、子が3歳到達時に最大105万円が支給されます。

■参考リンク
厚生労働省「事業主の方への給付金のご案内

 

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、就業規則の制定及び変更、制度設計、労務相談、各種助成金に関するご相談、申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)