2月7日 103万、106万、130万、150万円の壁とは?

こんにちは、福岡就業規則相談センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
先日、岸田首相が衆院予算委員会で「年収130万円の壁」の制度見直しを表明しました。
年収の壁のお話は、よく耳にされることと思います。
では、実際に何の壁なのか、見ていきましょう!

よく言われる年収の壁は「103万」「106万」「130万」「150万」の4種類です。
実はこの4つは、税金と社会保険の両方が入り混じった数字になっています。
なので多くの方が混同して考えてしまい、難しくなってしまいます。
整理をしてみましょう。

◆税金の壁◆
103万円と150万円は税金の壁です。
これは給与の収入であることを前提とした金額です。

103万円は、配偶者のみならず、子や親など、扶養している親族全ての方に適用されます。
一方、150万円は配偶者のみ適用される金額です。
これらの金額を超えた方を、自身の扶養親族とすることはできないこととなります。

◆社会保険の壁◆
106万円と130万円は社会保険料の壁になります。

106万円が該当するのは、一定規模以上の会社に下記の要件でアルバイトやパートをする方です。
①従業員数が101人以上の事業所(特定適用事業所)に勤務していること
②週の所定労働時間が20時間以上
③賃金の月額が88,000円以上
④雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
⑤学生でないこと

この方が、年収106万円以上で社会保険に加入することになります。
本人が社会保険の加入者となりますので、健康保険の扶養者では無くなります。
※参照:「10月4日 徹底解明!! 短時間労働者の社会保険適用の考え方

130万円は、社会保険の扶養者として稼ぐことの出来る上限金額です。
上記の一定規模の会社に勤めていなくとも、130万円を超える収入が認められると、扶養者の要件から外れてしまいます。

今回見直しが表明された「130万円の壁」、社会保険の扶養者としての働き方がどう変わるのか、注目です。

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小さなご相談もぜひ一度お問い合わせください。(お問い合わせはこちらから)

1月31日 時間外労働の割増賃金率が引き上げに!できる準備は?

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

2023年4月1日から中小企業も月60時間を超える割増残業賃金率が25%から50%以上に引上げられます。

では、月60時間超の時間外労働の割増賃金が50%に引き上げになるとはどういうことでしょう。

労働基準法で定められている1か月の時間外労働とは1日8時間・1週40時間を超える労働時間のことをいいます。従業員に時間外労働をさせると、大企業、中小企業ともに割増賃金を支払わなければなりません。

その割増率は、60時間以下の場合は25%、60時間超の場合は、大企業は50%、中小企業は25%となっています。

2023年4月からは、中小企業も50%になります。


※参考:厚生労働省「月60時間を超える時間外労働の 割増賃金率が引き上げられます

引き上げ開始までに就業規則の見直しや、必要に応じて代替休暇の制定等の準備が必要でしょう。

◆代替休暇とは?
1か月について60時間を超えて時間外労働を行わせた従業員について、労使協定により、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を与えることができるものです。

■■計算例■■ ある月の時間外労働の時間が70時間だった場合
上記の計算式に当てはめると、(70-60)×(1.5-1.25)=2.5となります。
つまり取得可能な「代替休暇の時間数は、2時間30分」ということが分かります。

この場合は、2時間30分の代替休暇を取得すると、月60時間を超えた10時間分の時間外労働時間について、割増率1.25で計算することができます。

ただし、代替休暇の単位については、1日、半日、1日または半日のいずれかで運用することとなっています。また、本人からの申し出により取得できるものであり、事業主から強制することはできません。

※参考:厚生労働省「引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を 付与する制度(代替休暇)を設けることができます

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1月24日 【労務の豆知識】6ヵ月定期の端数処理は?

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
通勤手当を定期代で支給している御会社は、結構多いのではないでしょうか?
定期代の期間が3ヶ月・6ヶ月となった場合、離職票の作成や社会保険の算定の際には1ヶ月単位の金額に案分する必要があります。

今回は、この案分の際に生じる、端数処理についてお話いたします!

◆離職票
雇用保険の失業等給付を受けるには、離職票の発行が必要となります。
離職票には、退職前12ヶ月間の被保険者期間と6ヶ月間の賃金額を記入します。
その期間の内に、通勤手当を3ヶ月・6ヶ月の定期代で支払われていた場合は各月に案分することとなります。

【計算例】

4月~9月までの6ヶ月定期代が50,000円の場合

50,000円 ÷ 6ヶ月=8333.333・・・・

となり、1ヶ月の金額は、8333.333・・・円になります。

金銭が小数点になることはありませんので、切り捨てると、8,333円です。

しかし、8,333円×6=49,998円ですので、実際より、2円少ない計算になります。

では、この2円はどこに入れるのでしょうか?

この場合は、『最後の月にまとめて支払われたものとして取り扱う』こととなっています。

つまり、4月~8月(5ヶ月間)は8,333円 9月は8,335円となります。

◆社会保険算定基礎届・月額変更届
社会保険の算定期間の、通勤手当の端数月は「何月分か」ではなく「いつ払ったか」で変わります。


となります。

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1月17日 キャリアアップ助成金の制度が拡充されました!

こんにちは、福岡助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員に転換したり、処遇改善の取り組みを実施した事業主に支給されるものです。
2022年度補正予算が成立し、同年12月2日より、このキャリアアップ助成金のうち「正社員化コース」と「賃金規定等改定コース」が拡充されています。

■■正社員化コース
正社員化コースは、有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合に助成されるものです。
さらに、人材開発支援助成金を併用し、人材開発支援助成金の自発的職業能力開発訓練、定額制訓練を修了した後に正社員化すると訓練加算が支給されます。この支給額が9万5000円から11万円に引き上げられました。

また、加算の対象となる訓練に、事業展開等リスキリング支援コースが新設されています。

■■賃金規程等改定コース
賃金規程等改定コースは、有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を増額改定し、実際に賃金を引き上げた場合に助成されるものです。
今回、支給要件の見直しが行われ、賃金引き上げ率が2%以上から3%以上となりましたが、5%以上の賃金引上げを行う場合の助成額を大幅に拡充しています。この見直しに伴い、生産性要件を満たした場合の助成金額の増額が廃止されました。


※1事業所あたり1年度1回の申請制限が撤廃され、1年度1事業所あたり100人まで、複数回の申請ができるようになりました。

なお、経過処置として、2023年3月31日までの間に、2%以上3%未満の増額改定を行った場合や生産性要件を達成し助成額の加算を受ける場合は、従前の支給要件に基づいて支給申請することも可能です。この場合は、1事業所あたり1回までです。
※参考:厚生労働省「「キャリアアップ助成金」が使いやすくなりました!

制度拡充はキャリアアップ助成金のほか、特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)や中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)などでも行われています。
助成金の活用を検討されている場合は、早目に情報を確認することをお勧めいたします!

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■年始のご挨拶■

あけましておめでとうございます。
福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

新しい年が始まりました。

2023年は・・・
1月から協会けんぽの申請書式が変更となっております。
 ※参考:協会けんぽ「様式を変更する主な申請書(届出書)
4月から中小企業の月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の率が50%以上に引き上げとなります。
また、デジタルマネーによる賃金の支払いも解禁になります。

今年も法改正を含め、お役に立てる情報をお届けして参りますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

■年末年始のご案内■

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

弊事務所では、下記の期間を年末年始休業とさせていただきますので、ご案内申し上げます。

年末年始休業 2022年12月29日(木)~2023年1月3日(火)まで

2023年1月4日(水)午前9時より通常通り営業いたします。
来年も変わらぬお引き立てのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

12月20日 雇用保険料引き上げへ 2023年4月から

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
厚生労働省が、雇用保険料率を令和5年4月に引き上げる方向で最終調整に入ったことがわかりました。
労使が払う雇用保険料率を0.2%引き上げて、1.35%に抑えていた料率を原則の1.55%に戻します。

【雇用保険率】

新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用調整助成金の特例措置により給付が膨らみ、財源が逼迫していることが理由とのことです。

雇用保険料は三つに区分されており、失業手当に充てる「失業等給付」と「育児休業給付」、雇用調整助成金などの直接の原資となる「雇用保険二事業」があります。

このうち「失業等給付」は、積立金に余裕があった時期に保険料を引き下げていました。
現在も激変緩和のため0.6%に抑えていましたが、原則の0.8%に戻す処置です。

その「雇用調整助成金」も、特例処置が終了し、通常制度となりました。
ですが、ご業況が厳しい事業主様については一定の経過措置を設けています。

◆経過措置の対象範囲について
令和2年1月24日から令和4年11月30日までの間の休業等について雇用調整助成金のコロナ特例を利用した事業所が経過措置の対象となります。

◆経過措置の内容について

(注)上段は助成率。下段は金額は1人1日あたりの上限額。
   括弧書きの助成率は解雇等を行わない場合(※1)

※参考:厚生労働省「令和4年12月以降の雇用調整助成金の特例措置 (コロナ特例)の経過措置について

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12月13日 年金額 3年ぶりの増額改定!しかし。。。

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
「20歳になったら年金の支払いが始まる」
年金について、このようなご認識をお持ちだと思います。
年金とは、老後の生活の安定と、健康状態に問題が生じたりしたときに安心して暮らせるようお金を受け取れる制度です。
では、実際にもらえる年金額は、どのように決定するのでしょうか。
今回は、年金額の計算についてお話します。

国民年金(老齢基礎年金)の支給額は、シンプルに表現すると 満額×(納付済みの月数/480) で求めることができます。
この『満額』が、毎年変動する金額となり、支給される年金額の増減に関わってくるのです。
2022年度の満額は777,800円でした。

気になる2023年度は。。。

年金は原則として、物価と賃金が上がる局面では給付が増える設計です。
2022年10月の全国消費者物価指数(総合)は前年同月比+3.7%の上昇となっており、2022年通年の物価指数も上昇傾向にあります。
それに伴い、年金の支給額が3年ぶりの引き上げ改定となる見通しです。

日経新聞の発表では、通年の物価指数は+2.5%の予測です。
年金の満額の計算は、780,900円×改定率となります。
改定率は67歳までは賃金変動率を使用し、68歳からは物価変動率を使用しています。
とすると、68歳からの年金額の満額は+2.5%になると考えます。
しかし、実際は少子高齢化で寿命が伸びるうえ保険料の担い手が減っているため、物価の伸びよりは給付を抑えるマクロ経済スライドと呼ばれる仕組みがあり、改定率が調整されるようになっているのです。


※参考:厚生労働省「マクロ経済スライド

これにより、+2.5%の改定率から-0.7%の調整が入り、+1.8%となることが予測されています。
厚生労働省の公式発表は1月です。令和5年6月に受け取る金額から変更されることとなります。

年金の制度は難しく、従業員からのお問い合わせ等があった際にも回答するのは困難であることでしょう。
そのような時こそ、ぜひ社労士にご相談ください!

福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)では、制度設計、就業規則の制定及び変更、労務相談、各種助成金に関するご相談や申請代行等も承っております。
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12月6日 すべての人が働きやすい職場を目指して

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。
今年6月、神奈川県内の労働基準監督署が、トランスジェンダーの会社員がうつ病を発症したのは、業務上の心理的負荷が原因として労災認定をしました。
会社員がうつ病を発症した平成30年9月の直前約6カ月間に、先輩社員が会社員の性自認を侮辱し、人格を否定する発言が続いた状況が発症に関与したとされています。

労災の認定基準である、「心理的な負荷」は「弱」「中」「強」の3段階で判断されます。
今回はその内の「強」と判断されました。

生物学的・身体的な性、出生時の戸籍上の性と性自認が一致しない人を「トランスジェンダー」といいます。
生物学的な性が男性で性自認が女性、生物学的な性が女性で性自認が男性といった場合があります。
また、身体的な性に違和感を持つ人もいます。この状態に関して医学的には「性同一性障害」と診断される場合があります。
※ なお、「性自認」は「性同一性」といわれることもあります。

厚生労働省は多様性を受け入れる職場環境の整備を進めるため、採用選考の場面や就業規則における規定の在り方、ハラスメント問題、個別労使間の紛争などに関して取組を行っています。

■■公正な採用選考
性的マイノリティの方など特定の人を排除しないよう、適性・能力のみによる採用基準や採用方法に基づいた採用活動を事業主に求めています。

■■ モデル就業規則
常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません(変更の場合も同様です。)。
厚生労働省では、使用者が各事業場の実情に応じた就業規則を作成・届出するための参考として、「モデル就業規則」を示しています。モデル就業規則では、従業員の服務規律として、性的指向や性自認に関するハラスメントを禁止する規程例を掲載しています。

※参考:厚生労働省「モデル就業規則について

■■ 個別労働紛争解決制度
厚生労働省では、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)に基づき、都道府県労働局及び労働基準監督署等に設置された総合労働相談コーナーにおいて、解雇やいじめ・嫌がらせ等、労働問題に関するあらゆる分野について、労働者、事業主どちらからの相談も受け付けています。性的指向・性自認に関連する労働問題も対象としています。
また、総合労働相談コーナーでは、都道府県労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせんといった紛争解決援助制度もあります。なお、事業主が、労働者が紛争解決援助を求め、又はあっせんを申請したことを理由として、労働者に対し解雇その他不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています。

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11月29日 ご存じですか?職場における労働衛生基準が変更されました

こんにちは、福岡助成金支援センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

労働災害の防止のため、職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進する目的で労働安全衛生法があります。
普段の職場生活において身近で具体的な内容については、事務所衛生基準規則や労働安全衛生規則で定められています。今回はその中で2022年12月から変更になる事務所の照度と、携わることの多いパソコン等を用いた事務所作業を行う際の作業環境についてお話します。

◆事務所の照度
事務所の明るさは、作業の区分に応じて基準が設けられていますが、12月以降、この作業の区分が下表とおり、変更されることとなりました。

「精密な作業」と「普通の作業」をまとめて「一般的な事務作業」とし、基準の照度を300ルクス以上としています。そのため、従来「普通の作業」であった部屋の照度が300ルクス以上であるかの確認が必要となります。

※参考:厚生労働省「職場における労働衛生基準が変わりました

◆パソコン等を用いた事務所作業を行う際の作業環境
<作業時間>
●1日の作業時間が長すぎないようにしましょう。
●1時間以内で1サイクルとします。
  サイクルの間は10-15分の作業休止時間を設ける
  サイクル中にも1、2回の小休止を取ってください
●事業者は、作業者に応じた業務量を与えるように心掛けてください。
<作業姿勢>
●椅子に深く正しく座り、足は足裏の全体が接するようにしましょう。
●長時間同じ姿勢にならないよう、ときおり立ち上がるか立ち作業をするようにしましょう。
<機器の調整>
●ディスプレイは、眼から40cm以上の距離を取り、画面の上端は眼の高さになるように調整しましょう。
●ディスプレイの位置角度、輝度を調節し、体に負担のないようにしましょう。
●ディスプレイと書類を交互に見る作業では、書類を眼が疲れない位置に設置する等の配慮をしましょう。
※参考:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生 管理のためのガイドライン

環境整備は、従業員の安全と健康を守ることはもちろんですが、作業効率にも役立ちます。
これを機に、作業環境を見直してみるのはいかがでしょうか。

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