11月4日 企業に求められる労働時間の適正把握

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

厚生労働省では毎年11月を「過労死等防止啓発月間」としており、その一環として過重労働解消キャンペーンを実施しています。このキャンペーンでは、長時間労働が行われていると考えられる事業場等に重点監督が実施されますが、労働基準監督署が重点的に確認する事項は労務管理を行う上で重要なポイントです。以下では、この内容を確認します。

 

[1]重点確認事項
 厚生労働省は、重点的に確認する事項として、以下の4点を示しています。

  1. 時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(36協定届)の範囲内であるか等について確認し、法違反が認められた場合は是正指導を行う。
  2. 賃金不払残業が行われていないかについて確認し、法違反が認められた場合は是正指導を行う。
  3. 不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導する。
  4. 長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導する。

[2]労働時間の適正把握
 日ごろの労務管理の中では、上記4点のうち、特に3.の労働時間の適正把握が重要です。
 労働時間の把握については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が示されており、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置として、会社は労働時間を適正に把握するため、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録することが求められています。出勤簿で出勤の有無を把握するだけでは不十分で、業務を開始した時刻・業務を終了した時刻の把握が必要です。

 

 また、自己申告制で労働時間を把握しているケースでは、自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正を行う必要があります。併せて、自己申告した労働時間を超えて事業場内に残っている時間について、その理由等を従業員に報告させる場合には、その報告が適正に行われているかを、確認する必要があります。
 その他、実際によくあるケースとして時間外・休日労働について、タイムカード等の記録とは別に従業員からの申請を受け、タイムカード等の記録と併用しつつ、時間管理を行っていることがあります。申請のあった時間外・休日労働の時間とタイムカード等に記録されている時間に乖離が生じている場合は、時間外・休日労働の時間の申請が適正か否かについて確認する必要があります。

 この機会に自社の労働時間の把握が適正な運用になっているか確認し、問題があれば早急に改善しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

 

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10月27日 長時間労働が疑われる事業場への監督指導結果

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

先月、厚生労働省から長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の結果(2025年度)が公表されました。この資料は、労働基準監督署の監督指導がどのような観点から行われるかを知ることができるものであるため、そのポイントについて見ていきましょう。

 

[1]法違反の状況
 今回の監督指導の結果は、2025年4月から2026年3月までに、長時間労働が疑われる事業場に対し、労働基準監督署が行った監督指導の実施結果を取りまとめたものです。
 監督指導が実施された事業場のうち、労働基準法等の法令違反があった割合は78.5%で、主な違反としては、「違法な時間外労働があったもの」が38.5%、「賃金不払残業があったもの」が6.5%、「過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの」が20.3%でした。この過重労働による健康障害防止措置が未実施のものについては、以下の違反の件数等が計上されています。いずれも法違反が起きやすいポイントとなりますので、自社の対応に問題がないか確認しておくとよいでしょう。

  • 衛生委員会を設置していないもの等〔労働安全衛生法第18条違反〕
  • 健康診断を行っていないもの〔労働安全衛生法第66条違反〕
  • 1ヶ月当たり80時間を超える時間外・休日労働を行った労働者から、医師による面接指導の申出があったにもかかわらず、面接指導を実施していないもの〔労働安全衛生法第66条の8違反〕
  • 客観的な方法その他の適切な方法により労働時間の状況を把握していないもの〔労働安全衛生法第66条の8の3違反〕

     

[2]企業が実施した長時間労働削減のための自主的な取組事例
 公表された監督指導結果の中で、監督指導事例と、それに対し企業が実施した長時間労働削減のための自主的な取組事例が紹介されています。例えば、化粧品や入浴剤の製造・販売をしている企業で、RPAを導入し、200以上の業務を自動化。その結果、作業時間の大幅な削減や業務分担の効率化が進み、残業時間数を月平均35時間(2011年)から月平均5時間48分(2024年)に削減した等の効果が紹介されています。

 厚生労働省は今後も長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行い、11月には「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行うとしています。長時間労働となっている企業は、他社の長時間労働削減のための自主的な取組事例等も参考にしながら、取組を進めていくことが求められます。

 

■参考リンク
厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します」

 

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10月20日 2026年10月から始まった保険料調整制度

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

2026年10月から、社会保険料に関する新たな制度として、「保険料調整制度」が始まりました。この制度は、パートタイマー等が社会保険に加入することで、手取り額が低下することを避けるために設けられたものです。制度は通算3年間利用できることになっています。

 

[1]保険料調整制度の概要
 社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は、事業主と被保険者で原則として折半で負担することになっています。保険料調整制度では、本来、被保険者が負担する社会保険料の一部を、一時的に事業主が追加負担することで、対象となる被保険者の社会保険料の負担を軽減するものです。
 事業主が追加負担した社会保険料は、一旦、納付する必要がありますが、3ヶ月後に納付する社会保険料額から追加負担した額が差し引かれるため、事業主が納付する社会保険料は最終的には増えません。また、制度を利用した被保険者に係る給付にも、影響はありません。

[2]対象となる事業所と被保険者
 対象となる事業所と被保険者は、以下のとおりです。

[対象となる事業所]
 制度は、2026年10月1日以降に任意特定適用事業所となった事業所や、2027年10月1日以降の社会保険の適用拡大により特定適用事業所となった事業所などが対象となります。
対象となった事業所は、対象となった月から2年以内に申出をすることで制度の利用が開始されます。

[対象となる被保険者]
 対象となる被保険者は、短時間労働者として社会保険に加入し、標準報酬月額が12万6千円以下の被保険者です。複数の事業所で社会保険に加入する被保険者等、一部、対象外となる人を除き、制度を利用する事業所に勤務するすべての対象被保険者に制度が適用されます。

 

[3]社会保険料の軽減割合
 下表のように、軽減割合は標準報酬月額ごとに定められており、3年目は軽減割合が1・2年目の半分に縮小します。

 

標準報酬月額 制度利用1・2年目の負担割合 制度利用3年目の負担割合 88,000円以下 75 : 25 62.5 : 37.5 98,000円 70 : 30 60 : 40 104,000円 64 : 36 57 : 43 110,000円 59 : 41 54.5 : 45.5 118,000円 55 : 45 52.5 : 47.5 126,000円 52 : 48 51 : 49

※保険料の負担割合(事業主:被保険者)
 制度を利用するときには、対象となる従業員の給与から控除する社会保険料を誤らないようにする必要があります。この際、賞与にかかる社会保険料、介護保険料および子ども・子育て支援金は、軽減対象外になります。

 制度を利用するためには「保険料調整開始申出書」を、申出期限内に事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出する必要があります。任意特定適用事業所の申出や、特定適用事業所の該当により自動的に対象になるわけではありません。

 

■参考リンク
日本年金機構「保険料調整制度のご案内」

 

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10月13日 2025年の労基署の監督指導における賃金不払事案は128億円

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厚生労働省は「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)」を公表しました。これは2025年1月から2025年12月までに、全国の労働基準監督署が、賃金不払が疑われる事業場に対して実施した監督指導の結果を取りまとめたものです。以下ではその結果と実際の監督指導の事例をとり上げます。

 

[1]監督指導状況
 2025年に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案の件数、対象労働者数及び金額は以下のとおりです。

 件数      22,605 件 (前年比 251件増)
 対象労働者数 173,016 人(同 12,181人減)
 金額      128億5,782万円 (同 43億5,331万円減)

 件数を業種別にみてみると、商業の4,701件がもっとも多く全体の20.8%を占め、製造業4,370件、保健衛生業3,620件、接客娯楽業2,813件、建設業2,290件と続いています。一方、対象労働者数を業種別にみてみると、保健衛生業の47,033人がもっとも多く全体の27.2%を占め、製造業43,028人、商業20,568人と続いています。

[2]監督指導の対象となった事案
 本結果の中では「監督指導による是正事例」が紹介されています。自社の労働時間管理の在り方を見直す際の参考となりますので、ここでは割増賃金の適正な支払と労働時間の適正な把握に関する指導事例をとり上げます。

 

[概要]
 始業直前・終業直後の15分間について、一律に切り捨てており、その分の賃金が支払われていないとの情報を受け、労働基準監督署が立入調査を実施したところ、以下の実態が認められた。

  • ICカードで労働時間を管理しているが、始業直前・終業直後の15分間について、業務に従事していたか否かにかかわらず、一律に切り捨てる処理を行っていた。
  • 当該処理は慣例となっており、労働者によっては、当該15分間に業務に従事していた可能性は否定できないものであった。

[労働基準監督署の指導]
 過去に遡って各労働者から事実関係の聞き取りを行うなどの実態調査を実施の上、実際の支払額との差額の割増賃金の支払が必要となる場合には追加で支払うこと。また、労働時間を適正に把握するための具体的方策を検討・実施すること。

[事業場の対応]
 過去に遡って実態調査を実施したところ、始業開始・終業直後の15分間に業務に従事していた労働者が複数おり、割増賃金の不払が認められたため、追加で差額の割増賃金を支払うとともに、これまで行ってきた一律の切捨て処理を廃止し、始業直前・終業直後であっても、業務に従事していた時間については割増賃金を支払うこととした。

 始業直前・終業直後であったとしても従業員が業務に従事している場合、それは労働時間となり、賃金の支払いが必要になります。特に始業前はこうした不払いが発生しやすいので、早出勤務の申請ルールの整備など、対策を検討しましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)を公表します」

 

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10月6日 重要性が増す36協定の特別条項を適用する際の労務管理

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従業員に時間外労働をさせる場合、その上限は限度時間である原則月45時間・年360時間となっており、臨時的な特別な事情があり労使が合意する場合は、特別条項を締結し適用することでこれを超えることができます。以下では、特別条項を適用する場合の注意点を確認します。

 

[1]労働基準監督署対応の見直し
 9月1日より、時間外労働等に係る労働基準監督署の対応の見直しが行われました。内容は、時間外・休日労働時間数のみに着目して月45時間以内への削減を求める一律の指導を見直し、各事業場が36協定で定める健康及び福祉を確保するための措置(以下、「健康福祉確保措置」という)の実施状況を重点的に確認し、確認した状況に応じた必要な指導を行うこととされました。なお、個々の事業場の実態を踏まえて、過重労働による健康障害が生じるおそれが高い場合には、引き続き必要な指導を行うとしています。

[2]健康福祉確保措置の重要性
 健康福祉確保措置とは、限度時間を超えて労働させる従業員に対して行う措置のことで、36協定の特別条項で定めています。
 この措置の内容として、例えば「医師による面接指導の実施」と定めた場合は、医師の面接指導を実施し、実施したことが分かる記録を残しておく必要があります。
 労働基準監督署ではこの実施状況を重点的に確認するとしていますので、確実に実施した記録を残しておくことが求められます。

 

[3]健康福祉確保措置の重要性
 限度時間を超えて労働させる場合の手続きについても、36協定の特別条項で定めることになっています。この手続きは月45時間を超える場合だけでなく、年360時間を超える場合についても行う必要があります。
 特に、年360時間については、月45時間を超えていなくても、1年間の途中で360時間を超える可能性があります。例えば時間外労働を毎月40時間した場合、9ヶ月で360時間に到達します。なお、限度時間を超えて労働させることができる回数は6回以内に限りますが、この6回のカウントは月45時間を超えた回数が対象となり、年360時間を超えた分は回数に含まれません。

 毎年36協定を締結・届出しているものの、前年と同じ内容としている企業も多いように思いますが、改めて36協定の締結内容を確認し、その内容に基づいて対応が求められます。

 ※本文中の月45時間・年360時間は、対象期間が3ヶ月を超える1年単位の変形労働制を適用する場合、月42時間・年320時間となる。

 

■参考リンク
厚生労働省 働き方改革特設サイト「時間外労働の上限規制」

 

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9月29日 社会保険の106万円の壁の撤廃と被保険者となるパートの範囲

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2026年10月1日に、社会保険における短時間労働者の加入要件の一つである「月額賃金8.8万円以上」という賃金要件が廃止され、いわゆる「年収106万円の壁」がなくなります。今回は、この賃金要件の撤廃と、社会保険に加入すべき従業員の範囲について整理します。

 

[1]被保険者となる人
 会社で社会保険に加入するのは、役員・正社員のほか、一定の要件を満たしたパートタイマー・アルバイト(以下、「パートタイマー等」という)です。
 パートタイマー等のうち、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上である人は、一般被保険者として社会保険に加入します。さらに、特定適用事業所で働くパートタイマー等で、週の所定労働時間が20時間以上であること等の要件を満たした場合にも社会保険に加入します。


[2]106万円の壁の撤廃

 これまで短時間労働者として社会保険に加入する要件の一つに、「所定内賃金が月額8.8万円以上であること」という要件が設けられていました。この月額8.8万円を12倍した年収が約106万円となることから、「年収106万円の壁」と呼ばれパートタイマー等に意識されてきました。

 これに対し、近年の最低賃金の引上げにより、全都道府県で最低賃金が1,016円を超え、週の所定労働時間が20時間以上となれば月額賃金が8.8万円以上となる状況となっています。実質的にこの賃金要件に該当するパートタイマー等はいなくなっていることから、2026年10月1日に正式に撤廃されることになりました。
 この撤廃により、短時間労働者の加入要件は、1.週の所定労働時間が20時間以上であること、2.学生ではないことの2つとなります。なお、2ヶ月を超えて雇用される見込みであることというのは、一般被保険者・短時間労働者の両方の加入要件となっています。

 

[3]週20時間以上の考え方
 短時間労働者の加入要件のうち、特に実務上問題となりやすいのが「週の所定労働時間が20時間」の判断基準です。この時間数は、あくまでも契約上の所定労働時間によります。ただし、実際の労働時間が連続する2ヶ月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている、または続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3ヶ月目の初日に社会保険に加入します。

 2027年10月から順次、社会保険の適用拡大が行われ、従業員数(厚生年金保険の被保険者数)50人以下の企業も「特定適用事業所」になります。労使ともに影響が大きな事項ですので、短時間労働者の加入要件はしっかりと押さえておきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「「年収の壁」への対応」

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9月24日 メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況と企業としての対策

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多くの企業で、メンタルヘルス疾患を発症し、欠勤や休職をする従業員が増加していますが、その最新の状況を調査した「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」(以下、「調査結果」という)が厚生労働省から公表されました。以下では、この調査結果から、メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況と企業としてのメンタルヘルス対策の取組みをとり上げます。

 

[1]メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況
 今回の調査結果をみると、過去1年間(2024年11月1日から2025年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%でした。このうち、連続1ヶ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.8%で、10社に1社の割合となっています。
 また、メンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者の割合は0.6%で、企業規模別にみると下表のように、企業規模が大きいほど多くなっています。

企業規模 メンタルヘルス不調による
連続1ヶ月以上の休業者数
10~29人 0.3%
30~49人 0.4%
50~99人 0.5%
100~299人 0.7%
300~499人 0.8%
500~999人 1.1%
1,000人以上 1.1%

 


[2]メンタルヘルス対策の取組み

 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、63.0%でした。これを300人未満の企業規模でみると、労働者数10~29人の事業所で54.6%、労働者数30~49人の事業所で72.0%、労働者数50~99人の事業所で90.3%、労働者数100~299人の事業所で98.5%で、企業規模が大きくなるにつれて、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合が高くなっています。
 このメンタルヘルス対策について、取組内容(複数回答)の上位5つをみてみると以下のようになっています。

  • ストレスチェックの実施 64.0%
  • 職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団(部、課など)ごとの分析を含む) 52.8%
  • メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施 52.5%
  • メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備 48.3%
  • メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備 48.3%

 取組内容のうち、「メンタルヘルス対策に関する労働者への教育研修・情報提供」については、厚生労働省が「こころの耳」というサイトを開設しており、この中に従業員向けのページ「働く方へ」があります。セルフケアに気軽に用いることができる5分研修シリーズの動画コンテンツなどがあり、従業員への情報提供として活用したいものです。以下の参考リンクより確認できます。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」
こころの耳「働く方へ」

 

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9月15日 定期健康診断等の診断項目変更と健康診断にまつわるよくある質問

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会社は1年以内に1回、定期健康診断を実施する義務があり、また雇入れ時の健康診断の実施義務もあります。この定期健康診断等の診断項目の取扱いが2027年4月より変更となります。以下では、変更内容と健康診断にまつわるよくある質問を取り上げます。

 

[1]2027年4月からの変更点
 定期健康診断等の診断項目については、労働安全衛生規則で定められていますが、2027年4月から以下の3点について変更が行われます。

  1. 喀痰検査の削除
  2. 肝機能検査の酵素名の変更
  3. 血清クレアチニン検査の追加

 これらの改正は、長時間労働と慢性腎臓病発症リスク等との関係や、血清クレアチニン検査で既存項目では把握できない腎機能低下者を把握できること等を踏まえて変更されたものです。 定期健康診断の診断項目の中には医師の判断により省略が可能となっているものがありますが、この省略に関しては、個々の従業員について、健康状態の経時的な変化や自覚症状・他覚症状等を勘案しながら判断することになっています。

 

[2]健康診断にまつわるよくある質問
 以下では、健康診断にまつわるよくある質問を2つ取り上げます。

(1)雇入れ時の健康診断

 入社後すぐに定期健康診断の実施があるため、雇入れ時の健康診断を実施せず、定期健康診断を実施してよいかという質問を受けることがあります。これについては、実施目的に違いがあるため、入社後すぐに定期健康診断を実施するからということで、雇入れ時の健康診断の実施を省略することはできません。なお、雇入れ時の健康診断を受けた従業員については、健康診断の実施日から1年間は定期健康診断の実施項目に相当するものを省略することが可能です。


(2)再検査・精密検査の実施義務

 定期健康診断を実施した後、再検査・精密検査となった従業員について、再検査・精密検査の実施義務が会社にあるのかという質問もよく受けます。定期健康診断は会社に実施義務が課されていますが、この再検査・精密検査については会社に実施義務はなく、厚生労働省が公示する「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」の中で、会社に対して再検査・精密検査の受診を勧奨する努力義務が課されています。

 

 労働基準監督署の調査では、定期健康診断に関して、有所見とされた後に医師等からの意見を聴取していないという是正勧告を受ける事例が多く見られます。健康診断結果が届いた際には、有所見とされた従業員について、医師等から意見を聴取するなど、必要な対応を進めましょう。

■参考リンク
厚生労働省「職場における労働衛生対策」

 

 

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9月8日 50.9%まで上昇した男性の育児休業取得率

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近年、国は男性の育児休業の取得を促進しており、実際に多くの企業で育児休業を取得する男性従業員が増加しています。今回は、厚生労働省が先日公表した「令和7年度雇用均等基本調査」(以下、「調査」という)の中から、男性の育児休業取得率の最新データについて確認します。

[1]上昇する男性の育児休業取得率
 男性の育児休業の取得率は長年低迷していましたが、社会の変化や政策の後押しもあり、ここ数年、急速に上昇しており、2025年度は50.9%となりました(下図参照)。前年度(40.5%)から10.4ポイントの大幅上昇となり、調査以来、過去最高となっています。また、育児休業を開始した従業員のうち、出生時育児休業(産後パパ育休)を取得した割合は56.8%でした。
 政府は、男性の育児休業の取得率を、2025年度に50%、2030年度に85%という目標を掲げていたことから、2025年度の目標を達成した形となります。※図はクリックで拡大されます。


 

[2]男性の育児休業期間
 男性の育児休業の取得期間に関して、2024年4月1日から2025年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した男性の育児休業期間をみると、下図のような割合となっています。育児期間としては、「1ヶ月~3ヶ月未満」が 30.3%と最も高く、「2週間~1ヶ月未満」が 28.0%、「5日~2週間未満」14.1%と続いています。※図はクリックで拡大されます。

 このように育児休業の取得が増加に伴い、従業員から、育児休業に係る給付金の質問が会社に寄せられることも増えていますが、出生後休業支援給付金の創設など、制度が複雑になっていることから、対応に困っている方も少なくないでしょう。このような場面で活用できるものとして、厚生労働省が公開している「産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール」があります。このようなツールを紹介するなどして、相談のあった従業員の対応をしていきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」
厚生労働省「産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール」

 

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9月1日 シフト制で働く従業員の年次有給休暇の付与日

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労働基準法では、雇入れ後6ヶ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上に出勤した従業員に対し、所定労働日数に応じた年次有給休暇(以下、「年休」という)を付与することが義務付けられています。今回、シフト制で働く従業員の年休の付与日数の算出方法について、実務上の見直しが行われたため、その内容を確認します。

 

[1]年休の付与日数
 年休は雇入れ後6ヶ月間の継続勤務で10日が付与されますが、1週間の所定労働日数が4日以下または1年間の所定労働日数が216日以下で、かつ1週間の所定労働時間が30時間未満のパートタイマー等には、所定労働日数に応じた日数分の年休が比例付与されます。

 

[2]新たに認められた方法
 この所定労働日数について、現実には労働契約を締結する時点では労働日や労働時間を明確に定めず、一定期間ごとに作成する勤務シフトなどにより、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するようないわゆる「シフト制」の勤務形態で働く従業員もいます。
 このシフト制で働く従業員については、所定労働日数を算出しがたいことが多いため、今回、以下の日数を基準日における1年間の所定労働日数とみなして年休の付与日数を算出して差し支えないとされました。

  1. 雇入れ6ヶ月経過後に年休を付与するときには、雇入れから6ヶ月間の労働日数の実績を2倍した日数
  2. 雇入れ1年6ヶ月経過後以降の年休を付与するときには、前年の労働日数の実績

 

[3]労働日数の目安がある場合
 シフト制の勤務形態でも、労働契約を締結する時点で「1ヶ月○日程度勤務」といった目安となる労働日数等を定めることがあります。この場合には、基準日における所定労働日数とみなして算出した年休の付与日数が、新たに認められた方法で算出した付与日数を上回る場合に限り、「1ヶ月○日程度勤務」といった目安となる労働日数等を用いて年休の付与日数を算出しても差し支えないとされています。

 シフト制の場合、従業員の事情に合わせて、勤務する日数を柔軟に調整している企業も多くあることでしょう。今回、新たに認められた方法は、こうした実態に即した対応になるかと思われます。現状、シフト制で働く従業員がいる企業では、これまでの運用状況を踏まえつつ、今後の年休の付与日数や管理をどのようにするか、検討を行うとよいでしょう。

■参考リンク
厚生労働省「いわゆる「シフト制」について」

 

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