10月6日 重要性が増す36協定の特別条項を適用する際の労務管理

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

従業員に時間外労働をさせる場合、その上限は限度時間である原則月45時間・年360時間となっており、臨時的な特別な事情があり労使が合意する場合は、特別条項を締結し適用することでこれを超えることができます。以下では、特別条項を適用する場合の注意点を確認します。

 

[1]労働基準監督署対応の見直し
 9月1日より、時間外労働等に係る労働基準監督署の対応の見直しが行われました。内容は、時間外・休日労働時間数のみに着目して月45時間以内への削減を求める一律の指導を見直し、各事業場が36協定で定める健康及び福祉を確保するための措置(以下、「健康福祉確保措置」という)の実施状況を重点的に確認し、確認した状況に応じた必要な指導を行うこととされました。なお、個々の事業場の実態を踏まえて、過重労働による健康障害が生じるおそれが高い場合には、引き続き必要な指導を行うとしています。

[2]健康福祉確保措置の重要性
 健康福祉確保措置とは、限度時間を超えて労働させる従業員に対して行う措置のことで、36協定の特別条項で定めています。
 この措置の内容として、例えば「医師による面接指導の実施」と定めた場合は、医師の面接指導を実施し、実施したことが分かる記録を残しておく必要があります。
 労働基準監督署ではこの実施状況を重点的に確認するとしていますので、確実に実施した記録を残しておくことが求められます。

 

[3]健康福祉確保措置の重要性
 限度時間を超えて労働させる場合の手続きについても、36協定の特別条項で定めることになっています。この手続きは月45時間を超える場合だけでなく、年360時間を超える場合についても行う必要があります。
 特に、年360時間については、月45時間を超えていなくても、1年間の途中で360時間を超える可能性があります。例えば時間外労働を毎月40時間した場合、9ヶ月で360時間に到達します。なお、限度時間を超えて労働させることができる回数は6回以内に限りますが、この6回のカウントは月45時間を超えた回数が対象となり、年360時間を超えた分は回数に含まれません。

 毎年36協定を締結・届出しているものの、前年と同じ内容としている企業も多いように思いますが、改めて36協定の締結内容を確認し、その内容に基づいて対応が求められます。

 ※本文中の月45時間・年360時間は、対象期間が3ヶ月を超える1年単位の変形労働制を適用する場合、月42時間・年320時間となる。

 

■参考リンク
厚生労働省 働き方改革特設サイト「時間外労働の上限規制」

 

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9月29日 社会保険の106万円の壁の撤廃と被保険者となるパートの範囲

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

2026年10月1日に、社会保険における短時間労働者の加入要件の一つである「月額賃金8.8万円以上」という賃金要件が廃止され、いわゆる「年収106万円の壁」がなくなります。今回は、この賃金要件の撤廃と、社会保険に加入すべき従業員の範囲について整理します。

 

[1]被保険者となる人
 会社で社会保険に加入するのは、役員・正社員のほか、一定の要件を満たしたパートタイマー・アルバイト(以下、「パートタイマー等」という)です。
 パートタイマー等のうち、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上である人は、一般被保険者として社会保険に加入します。さらに、特定適用事業所で働くパートタイマー等で、週の所定労働時間が20時間以上であること等の要件を満たした場合にも社会保険に加入します。


[2]106万円の壁の撤廃

 これまで短時間労働者として社会保険に加入する要件の一つに、「所定内賃金が月額8.8万円以上であること」という要件が設けられていました。この月額8.8万円を12倍した年収が約106万円となることから、「年収106万円の壁」と呼ばれパートタイマー等に意識されてきました。

 これに対し、近年の最低賃金の引上げにより、全都道府県で最低賃金が1,016円を超え、週の所定労働時間が20時間以上となれば月額賃金が8.8万円以上となる状況となっています。実質的にこの賃金要件に該当するパートタイマー等はいなくなっていることから、2026年10月1日に正式に撤廃されることになりました。
 この撤廃により、短時間労働者の加入要件は、1.週の所定労働時間が20時間以上であること、2.学生ではないことの2つとなります。なお、2ヶ月を超えて雇用される見込みであることというのは、一般被保険者・短時間労働者の両方の加入要件となっています。

 

[3]週20時間以上の考え方
 短時間労働者の加入要件のうち、特に実務上問題となりやすいのが「週の所定労働時間が20時間」の判断基準です。この時間数は、あくまでも契約上の所定労働時間によります。ただし、実際の労働時間が連続する2ヶ月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている、または続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3ヶ月目の初日に社会保険に加入します。

 2027年10月から順次、社会保険の適用拡大が行われ、従業員数(厚生年金保険の被保険者数)50人以下の企業も「特定適用事業所」になります。労使ともに影響が大きな事項ですので、短時間労働者の加入要件はしっかりと押さえておきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「「年収の壁」への対応」

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9月24日 メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況と企業としての対策

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多くの企業で、メンタルヘルス疾患を発症し、欠勤や休職をする従業員が増加していますが、その最新の状況を調査した「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」(以下、「調査結果」という)が厚生労働省から公表されました。以下では、この調査結果から、メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況と企業としてのメンタルヘルス対策の取組みをとり上げます。

 

[1]メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況
 今回の調査結果をみると、過去1年間(2024年11月1日から2025年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%でした。このうち、連続1ヶ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.8%で、10社に1社の割合となっています。
 また、メンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者の割合は0.6%で、企業規模別にみると下表のように、企業規模が大きいほど多くなっています。

企業規模 メンタルヘルス不調による
連続1ヶ月以上の休業者数
10~29人 0.3%
30~49人 0.4%
50~99人 0.5%
100~299人 0.7%
300~499人 0.8%
500~999人 1.1%
1,000人以上 1.1%

 


[2]メンタルヘルス対策の取組み

 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、63.0%でした。これを300人未満の企業規模でみると、労働者数10~29人の事業所で54.6%、労働者数30~49人の事業所で72.0%、労働者数50~99人の事業所で90.3%、労働者数100~299人の事業所で98.5%で、企業規模が大きくなるにつれて、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合が高くなっています。
 このメンタルヘルス対策について、取組内容(複数回答)の上位5つをみてみると以下のようになっています。

  • ストレスチェックの実施 64.0%
  • 職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団(部、課など)ごとの分析を含む) 52.8%
  • メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施 52.5%
  • メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備 48.3%
  • メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備 48.3%

 取組内容のうち、「メンタルヘルス対策に関する労働者への教育研修・情報提供」については、厚生労働省が「こころの耳」というサイトを開設しており、この中に従業員向けのページ「働く方へ」があります。セルフケアに気軽に用いることができる5分研修シリーズの動画コンテンツなどがあり、従業員への情報提供として活用したいものです。以下の参考リンクより確認できます。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」
こころの耳「働く方へ」

 

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9月15日 定期健康診断等の診断項目変更と健康診断にまつわるよくある質問

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会社は1年以内に1回、定期健康診断を実施する義務があり、また雇入れ時の健康診断の実施義務もあります。この定期健康診断等の診断項目の取扱いが2027年4月より変更となります。以下では、変更内容と健康診断にまつわるよくある質問を取り上げます。

 

[1]2027年4月からの変更点
 定期健康診断等の診断項目については、労働安全衛生規則で定められていますが、2027年4月から以下の3点について変更が行われます。

  1. 喀痰検査の削除
  2. 肝機能検査の酵素名の変更
  3. 血清クレアチニン検査の追加

 これらの改正は、長時間労働と慢性腎臓病発症リスク等との関係や、血清クレアチニン検査で既存項目では把握できない腎機能低下者を把握できること等を踏まえて変更されたものです。 定期健康診断の診断項目の中には医師の判断により省略が可能となっているものがありますが、この省略に関しては、個々の従業員について、健康状態の経時的な変化や自覚症状・他覚症状等を勘案しながら判断することになっています。

 

[2]健康診断にまつわるよくある質問
 以下では、健康診断にまつわるよくある質問を2つ取り上げます。

(1)雇入れ時の健康診断

 入社後すぐに定期健康診断の実施があるため、雇入れ時の健康診断を実施せず、定期健康診断を実施してよいかという質問を受けることがあります。これについては、実施目的に違いがあるため、入社後すぐに定期健康診断を実施するからということで、雇入れ時の健康診断の実施を省略することはできません。なお、雇入れ時の健康診断を受けた従業員については、健康診断の実施日から1年間は定期健康診断の実施項目に相当するものを省略することが可能です。


(2)再検査・精密検査の実施義務

 定期健康診断を実施した後、再検査・精密検査となった従業員について、再検査・精密検査の実施義務が会社にあるのかという質問もよく受けます。定期健康診断は会社に実施義務が課されていますが、この再検査・精密検査については会社に実施義務はなく、厚生労働省が公示する「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」の中で、会社に対して再検査・精密検査の受診を勧奨する努力義務が課されています。

 

 労働基準監督署の調査では、定期健康診断に関して、有所見とされた後に医師等からの意見を聴取していないという是正勧告を受ける事例が多く見られます。健康診断結果が届いた際には、有所見とされた従業員について、医師等から意見を聴取するなど、必要な対応を進めましょう。

■参考リンク
厚生労働省「職場における労働衛生対策」

 

 

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9月8日 50.9%まで上昇した男性の育児休業取得率

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近年、国は男性の育児休業の取得を促進しており、実際に多くの企業で育児休業を取得する男性従業員が増加しています。今回は、厚生労働省が先日公表した「令和7年度雇用均等基本調査」(以下、「調査」という)の中から、男性の育児休業取得率の最新データについて確認します。

[1]上昇する男性の育児休業取得率
 男性の育児休業の取得率は長年低迷していましたが、社会の変化や政策の後押しもあり、ここ数年、急速に上昇しており、2025年度は50.9%となりました(下図参照)。前年度(40.5%)から10.4ポイントの大幅上昇となり、調査以来、過去最高となっています。また、育児休業を開始した従業員のうち、出生時育児休業(産後パパ育休)を取得した割合は56.8%でした。
 政府は、男性の育児休業の取得率を、2025年度に50%、2030年度に85%という目標を掲げていたことから、2025年度の目標を達成した形となります。※図はクリックで拡大されます。


 

[2]男性の育児休業期間
 男性の育児休業の取得期間に関して、2024年4月1日から2025年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した男性の育児休業期間をみると、下図のような割合となっています。育児期間としては、「1ヶ月~3ヶ月未満」が 30.3%と最も高く、「2週間~1ヶ月未満」が 28.0%、「5日~2週間未満」14.1%と続いています。※図はクリックで拡大されます。

 このように育児休業の取得が増加に伴い、従業員から、育児休業に係る給付金の質問が会社に寄せられることも増えていますが、出生後休業支援給付金の創設など、制度が複雑になっていることから、対応に困っている方も少なくないでしょう。このような場面で活用できるものとして、厚生労働省が公開している「産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール」があります。このようなツールを紹介するなどして、相談のあった従業員の対応をしていきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」
厚生労働省「産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール」

 

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9月1日 シフト制で働く従業員の年次有給休暇の付与日

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労働基準法では、雇入れ後6ヶ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上に出勤した従業員に対し、所定労働日数に応じた年次有給休暇(以下、「年休」という)を付与することが義務付けられています。今回、シフト制で働く従業員の年休の付与日数の算出方法について、実務上の見直しが行われたため、その内容を確認します。

 

[1]年休の付与日数
 年休は雇入れ後6ヶ月間の継続勤務で10日が付与されますが、1週間の所定労働日数が4日以下または1年間の所定労働日数が216日以下で、かつ1週間の所定労働時間が30時間未満のパートタイマー等には、所定労働日数に応じた日数分の年休が比例付与されます。

 

[2]新たに認められた方法
 この所定労働日数について、現実には労働契約を締結する時点では労働日や労働時間を明確に定めず、一定期間ごとに作成する勤務シフトなどにより、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するようないわゆる「シフト制」の勤務形態で働く従業員もいます。
 このシフト制で働く従業員については、所定労働日数を算出しがたいことが多いため、今回、以下の日数を基準日における1年間の所定労働日数とみなして年休の付与日数を算出して差し支えないとされました。

  1. 雇入れ6ヶ月経過後に年休を付与するときには、雇入れから6ヶ月間の労働日数の実績を2倍した日数
  2. 雇入れ1年6ヶ月経過後以降の年休を付与するときには、前年の労働日数の実績

 

[3]労働日数の目安がある場合
 シフト制の勤務形態でも、労働契約を締結する時点で「1ヶ月○日程度勤務」といった目安となる労働日数等を定めることがあります。この場合には、基準日における所定労働日数とみなして算出した年休の付与日数が、新たに認められた方法で算出した付与日数を上回る場合に限り、「1ヶ月○日程度勤務」といった目安となる労働日数等を用いて年休の付与日数を算出しても差し支えないとされています。

 シフト制の場合、従業員の事情に合わせて、勤務する日数を柔軟に調整している企業も多くあることでしょう。今回、新たに認められた方法は、こうした実態に即した対応になるかと思われます。現状、シフト制で働く従業員がいる企業では、これまでの運用状況を踏まえつつ、今後の年休の付与日数や管理をどのようにするか、検討を行うとよいでしょう。

■参考リンク
厚生労働省「いわゆる「シフト制」について」

 

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8月25日 2年連続で1,000件超となった精神障害の労災支給決定件数

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

従業員がメンタルヘルス疾患を発症し、欠勤や休職をするケースがありますが、その中には、仕事による強いストレスがその原因となっている事例もあるようです。2026年7月に公表された厚生労働省の資料によると、精神障害を理由とした労災の請求件数が大幅に増加しています。以下では、公表された資料の内容を確認した上で、企業に求められる対策について見ていきます。

 

[1]精神障害の労災補償状況
 精神障害の労災補償状況は下図のとおりとなっています。2025年度の請求件数は4,958件で、前年度の3,780件から1,178件の大幅増加となりました。また、支給決定件数については1,082件となり、前年の1,055件から26件の増加となり、2年連続で1,000件を超えました。
 支給決定件数の中で多い業種(中分類)の上位5つをみてみると、社会保険・社会福祉・介護事業151件、医療業139件、道路貨物運送業68件、総合工事業51件、飲食店45件となっており、医療・福祉の業種(大分類)で多いことが分かります。決定件数における支給決定件数の割合である認定率については2025年度で28.2%となり、ここ数年、30% を超えていたものが、今回は30%を下回りました。
※図はクリックで拡大されます。

 

[2]具体的な出来事
 支給決定は、その傷病に繋がる具体的な出来事があったかを確認して判断されますが、支給決定の内容を具体的な出来事別に分類すると、その上位5つは以下の通りとなっています。

  1. 上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた(222件)
  2. 顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた(127件)
  3. セクシュアルハラスメントを受けた(127件)
  4. 仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった(113件)
  5. 業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(110件) 

 支給決定件数(1,082件)のうち、上位3つ(パワーハラスメント、カスタマーハラスメントに関連する項目、セクシュアルハラスメント)はハラスメントに関するもので、全体の4割超を占めています。10月よりカスタマーハラスメント等の防止対策が企業に義務づけられることと合わせて、より一層ハラスメント防止の取組みが重要になります。

 

■参考リンク
厚生労働省「令和7年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」

 

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8月18日 9月1日から交付申請の受付が始まる業務改善助成金

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

先日、2026年度の地域別最低賃金額改定の目安について、答申の取りまとめが行われ、その内容が公表されましたが、厚生労働省では賃金の引上げを行う中小企業を支援するために、業務改善助成金を設けています。2026年度の業務改善助成金の交付申請の受付が9月1日から始まることから、この助成金の概要を取り上げます。

[1]業務改善助成金とは
 業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行い、事業場内最低賃金(※)を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部が助成されるものです。
※事業場内最低賃金とは、事業場でもっとも低い時給のことをいい、地域別最低賃金と同じように計算します。

[2]対象となる設備投資等
 設備投資等の例としては、以下のものが挙げられます。助成対象経費の下限は10 万円(税抜き)です。なお、1つの価格が 10 万円未満の設備投資等であっても、他の生産性向上に資する設備投資等と合わせた合計金額が 10 万円以上となる場合は、助成の対象となります。

  • POS レジシステム導入による在庫管理の短縮
  • リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
  • 国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直し
  • 顧客管理情報のシステム化 

[3]助成上限額等と申請の流れ
 賃金の引上げにより分かれる「コース区分」によって、下表のように助成上限額が設定されています。具体的な助成上限額は、引き上げる労働者(雇用保険被保険者)の数によって異なります。

 

助成金額は、生産性向上に資する設備投資等にかかった費用に一定の助成率をかけた金額と助成上限額とを比較し、いずれか安い方の金額となります。
 この助成率は、事業場内最低賃金が1,050円未満の場合は5分の4、事業場内最低賃金が1,050 円以上の場合は4 分の3です。
 申請の流れは、事業場内最低賃金の引上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定後に計画どおりに事業を進め、事業の結果を報告することにより、設備投資等にかかった費用の一部が助成金として支給されます。交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象とならないことに注意が必要です。

 

  助成金については、上記で取り上げた他にも細かい要件等があります。厚生労働省ホームページには、申請マニュアルやQ&Aなどが公開されていますので、活用を検討される場合は情報を確認してください。

 

■参考リンク
厚生労働省「業務改善助成金」

 

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■夏季休業のご案内

福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)でございます。
平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

弊事務所では、誠に恐縮ではございますが以下の期間を夏季休業とさせていただきますので、ご案内申し上げます。

〇夏季休業 2026年8月13日(木)~2026年8月16日(日)まで〇

2026年8月17日(月)午前9時より通常通り営業いたします。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

8月4日 2026年8月から変わる健康保険の高額療養費制度

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

健康保険には、医療機関や薬局でマイナ保険証等を利用すること等により、診察・処置・投薬などの治療を一部の負担額(自己負担額)で受けることができます(療養の給付)。これに加え、自己負担額が大きくなりすぎることを防ぐため、高額療養費制度が設けられています。2026年8月より、この高額療養費制度が変わることから、協会けんぽにおける制度の変更点を確認しましょう。

[1]高額療養費制度とは
 高額療養費制度とは、重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引いたりする場合に、一定の金額である「自己負担限度額」を超えた部分が払い戻されるものです。マイナ保険証を利用したり、限度額適用認定証を利用したりすることで、本来は自己負担限度額を超えた額を一旦立て替えて払い戻しを受ける必要があるところ、医療機関や薬局での支払いを自己負担限度額とすることができます。
 この自己負担限度額は、受診者の年齢と、従業員の健康保険の標準報酬月額に基づく所得区分によって決められており、原則として、所得が高くなるほど、自己負担限度額も高くなります。


 また、直近12ヶ月の間に3ヶ月以上の高額療養費制度を利用した場合には、4ヶ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減される仕組みがあります。

 

[2]自己負担限度額の引上げ
 2026年8月の変更では、自己負担限度額が引き上げられます。例えば、70歳未満で標準報酬月額が28万円から50万円までの範囲に当てはまる場合には、以下のようになります。

[変更前(~2026年7月)]
 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
[変更後(2026年8月~)]
 85,800円+(総医療費-286,000円)×1%

 ただし、多数該当となった場合の自己負担限度額は据え置かれています。

 

 

[3]年間上限の新設
 自己負担限度額が引き上げられる一方で、長期療養者への配慮として、新たに「年間上限」の制度が導入されます。高額療養費は、1ヶ月単位の自己負担限度額に到達した場合に、自己負担限度額を超えたものが払い戻される仕組みですが、自己負担限度額に達しない場合であっても、年間上限額に達した場合には、その年において年間上限額を超える負担が不要となるものです。この年間とは8月から翌年7月までを指します。
 これまで多数該当に該当しなかった人や、極めて高額な医療を受けた人に対する負担が軽減されます。

 高額療養費制度は、2027年8月にも所得区分を細分化される変更が行われます。長期療養をしている従業員や、今後、大きな手術を受ける従業員等には改正内容のお知らせをしておきたいものです。

■参考リンク
協会けんぽ「【制度改正】令和8年8月から高額療養費制度が見直されます」

 

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