10月1日 30.1%まで上昇した男性の育児休業取得率

こんにちは、福岡支援助成金センター(社会保険労務士法人サムライズ)です。

近年、国として男性の育児休業の取得を促進しており、実際に多くの企業で育児休業を取得する男性従業員が増加しています。そこで、厚生労働省が先日公表した「令和5年度雇用均等基本調査」(以下、「調査」という)の中から、最新の男性の育児休業取得率と育児休業の取得期間、そして今後対象企業の拡大が予定される育児休業等の取得率の公表についてとり上げます。

[1]男性の育児休業取得率と育児休業の取得期間
 男性の育児休業の取得率は長年低迷していましたが、社会の変化や政策の後押しもあり、ここ数年、急速に取得率が上昇しており、2023年度は30.1%となりました。前年度(17.13%)から13.0ポイントの大幅上昇となり、調査以来、過去最高となりました。
 男性の育児休業はこれまで数日間など、非常に短いものが多いとされてきましたが、2023年度の育児休業の取得期間(2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した男性の育児休業期間)は長期化の傾向が見られ、「1ヶ月~3ヶ月未満」が最多となりました。育児休業の取得期間の割合を2018年度、2021年度と比較してみると、下表のようになります(※表はクリックで拡大されます)。2週間以上取得する人の割合が増えていることがわかります。

[2]男性の育児休業等の取得率の公表
 今回の男性の育児休業取得率の上昇の背景には、2022年10月に出生後育児休業が創設されたこともありますが、育児・介護休業法により従業員数1,000人を超える企業に対して、男性の育児休業等の取得率の公表が義務付けられたことが関係していると言われます。この公表義務の対象となる企業が、2025年4月より従業員数300人を超える企業に拡大されます。

 この公表の義務対象企業の拡大により、来年度以降、更なる男性の育児休業等の取得が進むことになるでしょう。男性も育児休業を取得するのは当たり前という雰囲気が社会的に醸成されることにより、公表義務のない中小企業においても男性からの育児休業等取得の申し出は増加するはずです。そのようなときに業務が混乱するようなことがないよう、いまから体制整備を行っておきたいものです。

■参考リンク
厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査
厚生労働省「育児・介護休業法について

 

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